この記事では2022年よりザスパクサツ群馬に在籍する平松宗について、プレーの特徴、過去の経歴、注目ポイントなどについて紹介します。
この記事を読むことで、試合中に平松宗のどういうプレーに注目すると、より観戦を楽しむことができるかを理解できます。また、平松宗が過去にどこのチームで、どんな選手たちと共にプレーをして、どんな活躍をしてきたかを理解することで、より選手に感情移入しながら応援を楽しめるようになります。
平松宗はどんな選手か?
平松宗は2022年からザスパクサツ群馬に加入したFWの選手です。ペナルティエリア内での得点感覚、打点の高いヘディング、ポストプレー、前線でのハードワークを強みとする選手です。2022年は34試合出場8得点の成績を残し、チーム内トップスコアラーとして活躍しました。今後もエースストライカーとしての活躍に期待が集まる選手です。
平松宗の経歴
平松宗は新潟県出身で小学生の時に太夫浜ダッシャーズ(現:南浜ダッシャーズ)にてサッカーを始め、中学生からアルビレックス新潟ジュニアユースに加入し、高校時代もアルビレックス新潟ユースでプレーしていました。
高校1年生時の2008年アルビレックス新潟ユースには、当時3年生の酒井高徳も所属していました。平松宗は高校2年生時の2009年にはユースチームのスタメンで活躍するようになり、1学年先輩の泉澤仁(大宮、G大阪、甲府などでプレー)と前線で2トップを組み、日本クラブユース選手権で準決勝まで勝ち進む活躍をみせていました。これは当時のアルビレックス新潟ユース史上最高成績となります。先輩だった泉澤仁の実力は平松宗も一目置いているようで、「仁くんはうまい、あのレベルくらいにならないと(自分も)プロは無理じゃないかと思います」「仁くんは駆け引きがうまい、そういうところを見習っていきたい」などのコメントを残していました。
その後、平松宗は国士舘大学に進学し、大学3年生時の2013年には、全日本大学サッカー選手権で準優勝を果たします。
国士舘大学卒業後の2015年、J1アルビレックス新潟への加入が発表されます。ユース時代を過ごした地元チームへの凱旋という形で念願のプロ入りを果たします。当時のアルビレックス新潟には、レオシルバ、田中達也、指宿洋史、大井健太郎、ラファエルシルバなどが在籍していました。加入1年目の2015年は開幕から5試合連続でのスタメン出場が続きますが、そこから怪我などもあり出場機会を減らし、最終的には13試合出場0得点の成績に終わります。続く2016年も思うような出場機会を得られない中、シーズン途中の7月にはJ2水戸ホーリーホックへ期限付き移籍で加入します。水戸では22試合出場4得点と活躍し、嬉しいJ初ゴールもマークします。
2017年にはアルビレックス新潟に復帰するものの、シーズン途中の8月に当時J2のV・ファーレン長崎へ再び期限付き移籍。2017年はシーズン途中加入ながら12試合出場3得点の成績で長崎のJ1昇格に貢献します。2018年シーズンも引き続き長崎でプレーしますがJ1での成績は13試合出場1得点の成績に終わります。4月22日の柏戦では記念すべきJ1初ゴールを決める活躍をみせますが、当時V・ファーレン長崎のFWメンバーにはファンマ、鈴木武蔵、澤田崇、中村慶太などが在籍しており、平松宗はスタメン出場の機会をなかなか得ることができずに苦戦しました。
2019年シーズンは、自身が長崎に期限付き移籍をしている間にJ2へ降格してしまったアルビレックス新潟に再度の帰還を果たします。しかし舞台をJ2に移した新潟での再チャレンジも満足な出場機会を得られず、8月にJ3カターレ富山への期限付き移籍が発表されます。この当時は本人もキャリアについて悩んだようで、移籍発表時には「試合に関われず、また、チームの目標であるJ1昇格への力にもなれてない不甲斐なさを考えることが多くなっていきました。その中で、アルビレックス新潟の力になりたいという目標と、自分のサッカー選手としての目標を考えたときに、今のままでは難しいと思いました。そして、この2つの目標に近づき、達成するためには試合に出ることが1番の方法だと考え、期限付き移籍という決断をしました。」とコメントを残しています。
そして2019年8月より加入したカターレ富山で、平松宗は15試合出場7得点という実績を残し主力として躍動します。途中加入ながらチーム内2位のゴール数をマークした平松宗は、2020年シーズンには完全移籍でアルビレックス新潟からカターレ富山へ移ることを決断します。2020年はカターレ富山で29試合出場9得点の活躍を見せます。J3の舞台で戦ったカターレ富山時代の2年間は、平松宗が自分らしいプレーを取り戻す上で重要なターニングポイントになりました。また、カターレ富山に2019年に所属していた白石智之、2020年に所属していた武颯とは、後にザスパクサツ群馬でも再びチームメートとなります。
2021年にはクラブ史上初のJ2昇格を果したSC相模原に完全移籍で加入します。残念ながらチームは残理争いを勝ち残ることができず1年でのJ3降格となってしまいますが、平松宗は39試合出場5得点と最後まで気を吐き続け奮闘します。年間39試合出場(うち32試合スタメン出場)はキャリアハイの出場記録。ゴール数もチーム内では藤本淳吾に次ぐ2位の得点をマークしています。
そして2022年、平松宗はザスパクサツ群馬に完全移籍で加入します。34試合出場8得点、チーム内1位の得点を記録し、J2残留に貢献しました。
平松宗のプレースタイルと強み
平松宗の強みとして、まずはその決定力が上げられると思います。ザスパクサツ群馬で戦った2022年シーズンはスタメン出場時17試合5得点、途中出場時で17試合3得点。スタメン&途中交代どちらでもゴールを取れる勝負強さを発揮しています。得点パターンとしてはやはり、味方のクロスボールにヘディングで合わせるようや高さを生かしたプレーが多い印象ですが、ニアに入り込んで泥臭く滑り込むプレーや、第41節岩手戦で決めたような自身でペナルティエリアまで持ち込み強烈なシュートを突き刺すような得点パターンも持っています。
また、豊富な運動量と泥臭いプレーも、平松宗の持ち味です。新潟ユース時代から、テクニシャンの泉澤と泥臭く走る平松、というコンビで定着していました。プロデビューした2015年のJ1では2ndステージ第11節の走行距離第1位(12.46km)を記録するなど、J1のレベルでも通用する運動量を誇ります。ザスパクサツ群馬への新加入会見でも「運動量を生かしたプレーを見せたい」と意気込んでおり、30歳を超えた現在もハードワークを心情に攻守でチームを支え続けています。
平松宗の注目ポイント
平松宗はこれまでのプロキャリア8年間で6チームを渡り歩いてきており、様々なチームスタイルへ適応する柔軟性と適応力を有します。得意なCFポジションだけでなく、不慣れなウイングや2シャドーのポジション起用にも応えてチームに貢献してきました。カテゴリーもJ1~J3まで幅広く経験しており、長崎時代にはJ1昇格争いを、相模原と群馬ではJ2残留争いを戦うなど豊富な経験値を誇ります。シーズン途中での移籍も数多く経験しているため、チームにいち早く溶け込むコミュニケーション能力にも長けています。
必ずしも所属チームで満足な出場機会を得られない時期も多かった苦労人ですが、与えられた環境で最大限のパフォーマンスを出し切るための努力を惜しまない頼もしい選手です。そういったサッカーに向き合う姿勢、プロ意識の高さなど、チーム全体に与える影響力にも注目して応援していきたい選手です。
また2023年からザスパクサツ群馬に期限付き移籍で加入する武颯とはカターレ富山時代以来のFW2トップ再結成にも期待が掛かります。富山時代の2020年は2人合わせて19得点のゴールを上げていた得点力に注目していきたいですね。