この記事では2021年よりザスパクサツ群馬に在籍する北川柊斗について、プレーの特徴、過去の経歴、注目ポイントなどについて紹介します。
この記事を読むことで、試合中に北川柊斗のどういうプレーに注目すると、より観戦を楽しむことができるかを理解できます。また、北川柊斗が過去にどこのチームで、どんな選手たちと共にプレーをして、どんな活躍をしてきたかを理解することで、より選手に感情移入しながら応援を楽しめるようになります。
北川柊斗はどんな選手か?
北川柊斗は2021年シーズンからザスパクサツ群馬に加入したFWの選手です。多彩なシュートパターン、二列目やサイドもこなすユーティリティ、途中出場で流れを変えるジョーカー資質、などの特徴を持った選手で主にCF、右SMFでプレーします。2021年は25試合出場4得点、2022年は25試合出場2得点、2023年は37試合出場3得点の実績を残しました。スーパーサブとして存在感を発揮するマルチストライカーです。
北川柊斗の経歴
北川柊斗は三重県鈴鹿市の出身です。幼稚園の年少からサッカーチームに入り、物心つく前からボールを蹴っていたといいます。小学校時代は地元の庄野ジュニアサッカークラブでプレーしていました。
中学時代、北川柊斗は名古屋グランパスU15チームに所属してプレーします。高田哲也監督の下で、森勇人などのチームメートとプレーしました。1年時に日本クラブユース選手権(U15)優勝、2年時にJFAプレミアカップ(U15)準優勝、3年時には高円宮杯全日本ユースU15優勝とJFAプレミアカップ(U15)準優勝などのタイトルを獲得しています。北川柊斗自身も主力として活躍し、3年時の高円宮杯全日本ユースU15優勝時には個人でも得点王に輝いています。また中学3年時には一つ上のカテゴリの名古屋グランパスU18でもスーパーサブとして出場機会を得ていました。さらに15歳の若さで名古屋グランパストップチームの練習にも参加し、注目を浴びました。
高校時代、北川柊斗は引き続き名古屋の下部組織にあたる名古屋グランパスU18でプレーします。U15チームの時と同じく高田哲也監督の下でプレーし、チームメートには1年上にニッキ・ハーフナー、同学年に森勇人、2年下に北野晴矢や杉森考起などが在籍していました。北川柊斗は1年時にJリーグユース選手権(U18)優勝を果たしています。また、この頃からは世代別の日本代表にも招集されており、U16日本代表からU19日本代表までコンスタントにメンバー入りを果たしていました。代表では南野拓実、中村航輔、上田直通、畠中槙之輔、関根貴大、川辺駿、三浦弦太、オナイウ阿道などとチームメートとしてプレーしました。北川柊斗はU18チームでの活躍から名古屋グランパストップチームへの昇格が期待されましたが、高校3年時に名古屋からトップチームへ上がれない旨を通達されます。本人はこのときのことを、非常に悔しい思いと挫折を経験した、と後に振り返っています。
高校卒業後、北川柊斗は筑波大学へ進学します。もう一度プロサッカー選手になって見返してやりたい、という反骨精神から大学サッカーの舞台でプレーを続けることを決断しました。北川柊斗は3年時には背番号10を背負い全日本大学サッカー選手権(インカレ)を優勝します。4年時には主将に就任し、関東大学リーグ戦1部優勝を果たしました。このときのチームメートには卒業後プロになった選手が多く、同期に戸嶋祥郎、中野誠也、野口航、1年下に小笠原佳祐、鈴木徳真、西澤健太、2年下に阿部航斗、山川哲史、高嶺朋樹、そして三笘薫が在籍していました。また、筑波大学時代に最も注目を集めたのは4年時の天皇杯でした。1回戦で当時J3のY.S.C.C.横浜を撃破すると、2回戦では当時J1のベガルタ仙台に勝利、続く3回戦でもJ2のアビスパ福岡を破るジャイアントキリングを演じ、筑波大学は大会を大いに盛り上げました。4回戦では大宮アルディージャにこそ敗北したものの、北川柊斗はベスト16まで進出したチームを主将としてリードし続けました。
大学卒業後の2018年、北川柊斗はJ2モンテディオ山形へ入団します。念願のプロ入りは、最初にオファーをもらったという山形に決めました。木山隆之監督の下、チームメートには櫛引政敏、加賀健一、三鬼海、山田拓巳、本田拓也、中村駿、南秀仁、汰木康也、阪野豊史、中山仁斗が在籍していました。櫛引政敏とは後にザスパクサツ群馬でもチームメートとなります。また、加賀健一や本田拓也からは当時、プロの先輩として多くの助言をもらったといいます。1年目のシーズン、北川柊斗は本職のFWではなく主に左サイドのWBで起用されリーグ戦17試合出場1得点の成績を残しました。
2年目となる2019年シーズンは出場機会を得ることができす苦戦を強いられ、シーズン途中の8月15日にはJ3ギラヴァンツ北九州へ期限付き移籍します。北九州では筑波大学の同期だった野口航と再びチームメートになるほか、藤原奏哉、國分伸太郎、高橋大悟、ディサロ燦シルヴァーノ、町野修斗などと共にプレーしました。そして北川柊斗はギラヴァンツ北九州でスーパーサブとして、その能力を開眼させます。加入後初出場となった第21節のヴァンラーレ八戸戦で途中出場から移籍後初ゴールを決めると、その試合から4試合連続で途中出場からの得点を決める大活躍をみせます。このシーズンはスタメン出場こそありませんでしたが、最終的にリーグ戦11試合出場7得点の成績を残し、ギラヴァンツ北九州のJ3リーグ優勝とJ2昇格に大きく貢献しました。
2020年シーズン、北川柊斗はモンテディオ山形に復帰します。新監督の木山隆之の下で、新たに中村充孝、半田陸、渡邊凌磨、大槻周平、山岸祐也、ヴィニシウス・アラウージョなどのチームメートと共にプレーしました。このシーズンも北川柊斗は、途中出場のジョーカー的な起用でコンスタントに出番を得ます。最終的にはリーグ戦21試合出場2得点の成績を残しました。
そして2021年、北川柊斗はザスパクサツ群馬へ完全移籍で加入します。2021年シーズン序盤は、大前元紀を中心としたFW陣とのスタメン争いのなか出番が限られますが、6月4日の第17節水戸戦で初めてスタメン出場すると2得点を決める活躍をみせ、以後スタメンや途中出場の機会をコンスタントに得るようになります。夏場に新型コロナウイルスに感染する選手が続出したなか、北川柊斗は前線のポジションで試合に出続け、25試合出場4得点の成績でチームのJ2残留に貢献しました。
2022年シーズン、ザスパクサツ群馬で2年目の北川柊斗はシーズン序盤はFWの控え選手として途中交代でのプレーが続きましたが、7月以降のリーグ後半戦で徐々に出場機会を増やし、最終的に25試合出場2得点の実績で、チームの2年連続でのJ2残留に貢献しました。
2023年シーズン、北川柊斗は昨年までのFW起用から一転して、主に右SMFのポジションで起用されるようになります。スタメン出場は3試合に留まりましたが、ほぼ全ての試合に右SMFで途中出場し、37試合出場3得点3アシストの成績でチームに貢献しています。
北川柊斗のプレースタイルと強み
北川柊斗のプレースタイル最大の特徴は、シュート技術の高さからくる多彩なフィニッシュのバリエーションです。ドリブルからのシュートに、強烈なミドルシュートや技ありの柔らかいループシュート、浮き球に合わせるボレーやヘディングなど、シュートパターンの引き出しの多さが売りで、学生時代から特定の型に依存しないシュートセンスに定評がありました。本人にとって理想のゴールはワンタッチで合わせて沈める形のようです。そして何よりも形以上に大事にしているのがシュート意識の高さ、積極的にシュートを打つという優先順位のおき方にストライカーとしてのプライドを感じさせます。
北川柊斗の注目ポイント
北川柊斗の注目ポイントは、途中出場で試合の流れを変えるジョーカーとしての役割です。特に2023年シーズンの北川柊斗は、右SMFのポジションで後半途中から投入される起用法が大槻毅監督の基本プランとなりました。本職のFWポジションではありませんでしたが、豊富な運動量と積極性を売りに、試合後半の右サイド活性化に一役買っています。
北川柊斗が途中出場のスーパーサブ的役割で活躍するのは、今回が初めてではありません。中学3年時に飛び級で名古屋グランパスU18チームのメンバーとして日本クラブユースサッカー選手権に出場した際には、全5試合に途中出場して4得点の活躍をみせました。筑波大学4年時は、背番号10を背負い主将という立場ではあったもののベンチに回る試合も多く、途中出場のジョーカー的な起用にも応えてきました。2019年後半に期限付き移籍で加入したギラヴァンツ北九州でもスーパーサブとして活躍し11試合の途中出場で7得点の成績を残しています。
試合後半の勝負どころでジョーカーとして投入される北川柊斗が、ザスパクサツ群馬にさらなる勢いをもたらしてくれることを期待して、今後も応援していきましょう!