この記事では2022年よりザスパクサツ群馬に在籍する風間宏希について、プレーの特徴、過去の経歴、注目ポイントなどについて紹介します。
この記事を読むことで、試合中に風間宏希のどういうプレーに注目すると、より観戦を楽しむことができるかを理解できます。また、風間宏希が過去にどこのチームで、どんな選手たちと共にプレーをして、どんな活躍をしてきたかを理解することで、より選手に感情移入しながら応援を楽しめるようになります。
風間宏希はどんな選手か?
風間宏希は2022年からザスパクサツ群馬に加入したMFの選手です。高い技術力に裏打ちされたボールコンロールとパスの精度に強みを持つ選手で、主にCMFやボランチでプレーします。2021年は30試合出場0得点の実績を残し、チームのJ2残留に貢献しました。
風間宏希の経歴
風間宏希は、広島県出身です。父親はサッカー元日本代表で、引退後は川崎フロンターレや名古屋グランパス監督を歴任した風間八宏です。父親がマツダSC(サンフレッチェ広島)でプレーしていた時代に広島で生まれ、5歳時には父親がドイツのクラブに移籍したことに伴いSSファーグランドでサッカーを習います。翌年には父と共に帰国。中学校2年生からは地元の「エリート選手育成プログラム」に参加し、当時からU-13,U-14の日本選抜に選出されるなど、その才能を注目されてきました。
中学卒業後は、清水商業高等学校に進学します。2年時にJFAプリンスリーグ東海2部で優勝、3年時は高校総体県大会で優勝し、清水商業高校を7年振りの全国大会出場へと導きます。風間宏希自身もMF登録選手ながらたくさんの得点を決めて中心選手として活躍しています。2年時にプリンスリーグ東海2部得点王に、3年時にはプリンスリーグ東海1部で得点王に輝いています。
高校卒業後はJリーグのクラブからもオファーがあったようですが、海外でのプレーを強く希望したため全て断り、1人で練習しながらチャンスを待ちます。オランダやベルギーのクラブからもオファーが届いていた模様ですが、最終的には2010年7月にポルトガル3部ロウレターノDCへの加入が発表されます。また同年の8月~9月にはAFC U19選手権に出場するU19日本代表にも選出されています。この時のU19日本代表では酒井高徳、宇佐美貴史、杉本健勇、遠藤航などと一緒にプレーしています。翌シーズンの2011年にはドイツ4部のTuSコブレンツに移籍。このシーズンは10試合出場0得点の実績に終わります。
2012年7月には、当時父親の風間八宏が監督を務めていたJ1川崎フロンターレへの移籍加入が発表されます。またドイツ3部VfKオスナブリュックに所属していた弟の風間宏矢も川崎フロンターレへの同時加入が発表され、話題になります。当時の川崎フロンターレには、中村憲剛、稲本潤一、山瀬功治、小林悠などが在籍していました。しかし川崎フロンターレに所属した2年間は思うような活躍をみせることができず、2012年は16試合出場0得点、2013年は1試合出場0得点の実績に終わり、2013年12月に契約満了が発表されます。
2014年にはJ2ギラヴァンツ北九州へ移籍します。この移籍がターニングポイントとなり、風間宏希はここから毎年コンスタントに試合出場を重ねていくことになります。2014年38試合出場6得点、2015年42試合出場2得点、2016年42試合出場4得点の実績を残し、高校時代以来なりを潜めていた得点力も復活の兆しを見せるようになります。また2015年と2016年は2年連続でJ2リーグ戦全試合スタメン出場と大車輪の活躍でチームをリードしますが残念ながらチームは2016年にJ3への降格が決まってしまいます。
2017年はJ2モンテディオ山形に移籍加入し、21試合出場0得点の実績を残します。
そして2018年には当時J3のザスパクサツ群馬へ期限付き移籍で加入します。当時のチームメートには平繁龍一、大久保哲哉、船津徹也などが在籍していました。風間宏希は31試合出場7得点、さらにチームトップの7アシストをマークする大活躍をみせますが、目標としていたJ2昇格にチームを導くことはできずシーズン終了後に退団してしまいます。
2019年にJ2のFC琉球に移籍加入します。チームには元日本代表の小野伸二が在籍していたほか、弟の風間宏矢と川崎フロンターレ時代以来の再開を果たし、チームメートとなります。2019年42試合出場2得点、2020年31試合出場2得点、2021年40試合出場2得点と、3年間常にチームの中心選手として活躍してきました。
そして2022年、ザスパクサツ群馬への移籍加入が発表されます。
風間宏希のプレースタイルと強み
風間宏希のプレースタイルは、チームの攻撃を司る司令塔です。学生時代から一貫してMFのポジションで、決定機を演出する鋭いスルーパスやDFラインの裏のスペースを突くロングパスを武器に、中盤の底から攻撃のタクトを振るってきました。精度の高いフリーキックも特徴で、右足のプレースキッカーとしても貴重な得点源となれます。
また、4年振りにザスパクサツ群馬に帰還した選手であることもサポーターにとっては嬉しいポイントです。2018年シーズンJ3カテゴリで戦っていたザスパクサツ群馬の中で、風間宏希のテクニックや戦術眼は頭一つ抜けるレベルで際立っていました。当時を知るザスパクサツ群馬サポーターの脳裏には、その時の躍動する風間宏希の姿が今も焼き付いています。
風間宏希の注目ポイント
風間宏希は、日本サッカーのパイオニア的存在である風間八宏の息子です。幼少期からサッカーを習い、早くから世代別代表に選出されてきたサッカーサラブレッドですが、常に大きな重圧とプレッシャーに晒されながらキャリアを積んできた選手といえるかもしれません。有名選手の息子、いわゆる二世選手は何かと現役時代の親と比較されがちで、どこへ行っても「風間八宏の息子」というイメージや期待値と常に向き合い続けることは、精神的には非常にタフなキャリアだったことが想像できます。それらを乗り越えて30歳を超え、年齢的にも円熟味を増した現在の風間宏希は、経験豊富で非常に落ち着いた佇まいとプレーが特徴です。客観的にゲームの流れを俯瞰しながら、チームのために今すべきプレーを冷静に選択していく姿は、特に周りの選手が熱くなってきているようなハイテンションのゲーム展開や、試合終盤に何とか死守して逃げ切りたいようなヒリヒリしたゲーム展開の時には、非常に頼もしく映ります。
また、ファンサービスも非常に親切で少しでもサポーターと目線が合えば、手を降ったり笑顔で返してくれるところも、女性ファンの人気を集めそうなポイントですね。ファンへの向き合い方や、ピッチ上での何気ない振る舞いからも、非常に厳しい環境でキャリアを積んできた一流サッカー選手の風格を感じることができるかもしれません。ザスパクサツ群馬に帰還した司令塔、風間宏希のさらなる活躍を今後も応援していきましょう。