MF 杉本 竜士とは?【ザスパクサツ群馬 選手紹介】

選手紹介

この記事では2023年よりザスパクサツ群馬に在籍する杉本竜士について、プレーの特徴、過去の経歴、注目ポイントなどについて紹介します。

この記事を読むことで、試合中に杉本竜士のどういうプレーに注目すると、より観戦を楽しむことができるかを理解できます。また、杉本竜士が過去にどこのチームで、どんな選手たちと共にプレーをして、どんな活躍をしてきたかを理解することで、より選手に感情移入しながら応援を楽しめるようになります。

杉本竜士はどんな選手か?

杉本竜士は2023年からザスパクサツ群馬に加入したMFの選手です。積極性にドリブルで仕掛けるアグレッシブなプレースタイル、豊富なスタミナによる前線からのハイプレス、攻守の切り替えの早さなどに強みを持つ選手で主に左SMFとしてプレーします。2023年シーズン途中に期限付き移籍で加入するとすぐに主力に定着し、14試合出場0得点の実績を残しました。2024年からは完全移籍で加入し、左サイドの主軸選手として期待される、熱きベテランサイドアタッカーです。

杉本竜士の経歴

杉本竜士は東京都府中市の出身です。3歳からサッカーを始め、兄と同じサッカー教室に通い始めます。小学校1年時に、父の転勤がきっかけでシンガポールに引っ越しました。シンガポールでも3つのサッカーチームに所属してプレーしましたが、そのうちの1チームでコーチをしていた伊藤壇との出会いが一つの転機となります。プロサッカー選手のコーチから教わったり、コーチの試合をスタジアムに観に行く日々の中で、多くの学びと刺激を得たといいます。小学校4年時に日本へ帰国すると、地元の強豪チームである府ロクSCに所属してプレーします。周囲の選手たちのレベルの高さに当初は挫折を経験しますが、徹底的な個人練習の積み上げで技術とドリブルを磨き上げ、関東トレセンに選出されるまでの選手に成長します。そして、その関東トレセンで出会った東京ヴェルディジュニア所属の端山豪から「俺らの代でヴェルディで全国制覇しよう!」との誘いに応じる形で、杉本竜士は東京ヴェルディジュニアユースへの加入を決断します。

杉本竜士は中学入学と同時に、東京ヴェルディジュニアユースへ加入します。冨樫剛一監督の下でプレーし、チームメートには2年上に高橋祥平、高木俊幸、1年上に小林祐希、高木善朗、同学年に端山豪、田中貴大、1年下に中島翔哉、前田直輝、安西和樹、ポーズウィリアム、2年下に安西幸輝、畠中槙之輔、高木大輔、澤井直人などが在籍していました。

高校時代、杉本竜士は東京ヴェルディユースへ加入します。楠瀬直木監督の下で、ジュニアユース時代からのチームメートに加えて同期に南秀仁も加わったチームでプレーし、高校2年時と3年時に2年連続で日本クラブユースサッカー選手権大会(U-18)優勝を果たしました。特に高校3年時の2011年、杉本竜士は主将としてチームを引っ張り、優勝した日本クラブユースサッカー選手権大会では大会MVPも受賞するなど輝かしい活躍をみせました。

高校卒業後の2012年、杉本竜士は東京ヴェルディトップチームへ加入します。ユースチームの同期である南秀仁、田中貴大、舘野俊祐とともにユースチームからトップチームへの昇格が発表されました。当時の東京ヴェルディはJ2カテゴリを川勝良一監督の下で戦っており、チームメートには土肥洋一、土屋征夫、高橋祥平、西紀寛、小林祐希、阿部拓馬、巻誠一郎、杉本健勇などが在籍していました。杉本竜士はリーグ戦3試合出場の実績にとどまりました。

2013年シーズンも杉本竜士は東京ヴェルディでプレーを続けます。チームメートには新たに高原直泰、常盤聡、井林章、佐藤優也などが加入しました。杉本竜士はプロ2年目も途中出場2試合のみと出番を得ることが叶わず、同年7月には出場機会を求めて当時JFLのFC町田ゼルビアへ期限付き移籍で加入します。東京ヴェルディユース時代の監督だった楠瀬直人が監督を務めていたFC町田ゼルビアで、杉本竜士はリーグ戦8試合出場3得点の実績を残しました。

2014年シーズン、杉本竜士は東京ヴェルディへ復帰します。このシーズン途中の9月から、ジュニアユース時代の恩師である冨樫剛一が監督に就き、久しぶりの再会を果たします。チームメートには永井秀樹、平本一樹、田村直也が加わりました。また、杉本竜士にとってはユース時代からのチームメートである南秀仁、安西和樹、前田直輝、安西幸輝、澤井直人らがチームの中心選手として本格的に試合出場を続けたシーズンとなり、杉本竜士もFWのポジションで16試合出場4得点の実績を残しました。

2015年シーズン、杉本竜士は引き続き東京ヴェルディでプレーします。チームメートにはアラン・ピニェイロ、ユースから昇格の三竿健斗、シーズン途中からはユース時代の先輩である高木善朗も加入しました。杉本竜士はFWの主軸選手として37試合出場3得点の成績を残しました。

2016年シーズン、杉本竜士はプロ5年目のシーズンも東京ヴェルディでプレーします。チームメートにはドウグラス・ヴィエイラ、二川孝広、井上潮音、平智広が加入しました。杉本竜士はFWと左SMFのポジション併用で起用され、リーグ戦29試合出場1得点の成績を残しています。

2017年シーズン、杉本竜士はJ2名古屋グランパスへ完全移籍で加入します。名古屋グランパスは前年にJ2降格を喫しており、クラブ史上初めて戦うJ2でのシーズンに向けて、風間八宏新監督を招聘して新体制を整えていました。チームメートには楢崎正剛、田口泰士、宮原和也、和泉竜司、玉田圭司、佐藤寿人、ガブリエル・シャビエル、シモビッチなどが在籍していました。杉本竜士はJ2屈指の選手層を誇るチームの中で、左SMFのスタメン確保に苦戦します。チームはJ2リーグ3位でのJ1昇格を見事に勝ち取りますが、杉本竜士はリーグ戦17試合出場2得点の成績でシーズンを終えます。

2018年シーズン、杉本竜士は開幕時までは名古屋グランパスに在籍していましたが、リーグ開幕直後の2月にJ2徳島ヴォルティスへ完全移籍で加入します。名古屋に残留して自身初のJ1リーグを戦う選択肢もありましたが、本人は出場機会を優先して徳島ヴォルティスへの移籍を決断したといいます。リカルド・ロドリゲス監督が指揮を取るチームで、チームメートには大崎玲央、広瀬陸斗、シシーニョ、岩尾憲、杉本太郎、小西雄大、狩野健太、呉屋大翔、ピーター・ウタカなどが在籍していました。杉本竜士は主に左SWBのポジションでプレーし27試合出場0得点の成績を残しました。

2019年シーズン、杉本竜士は引き続き徳島ヴォルティスでプレーします。チームには新たにヨルディ・バイス、藤田征也、野村直輝、河田篤秀などが加入しました。杉本竜士は左SWBのポジション以外にも左右のSMFやSWBのポジションで出場し、リーグ戦33試合出場4得点の実績を残し、活躍しました。

2020年シーズン、杉本竜士はJ1横浜F・マリノスに完全移籍で加入します。前年にJ1を優勝したチームへの新戦力として加入する形で、自身初のJ1リーグにチャレンジすることとなります。ポステコグルー監督の元、チームメートには畠中槙之輔、松原健、扇原貴宏、喜田拓也、水沼宏太、前田大然、オナイウ阿道、マルコス・ジュニオール、エリキなどが在籍していました。J1王者の分厚い選手層もあり、杉本竜士は試合出場の機会を得られぬまま、8月にJ1横浜FCへ期限付き移籍で加入します。リーグ戦5試合出場0得点の成績でシーズンを終えました。

2021年シーズン、杉本竜士は完全移籍に移行してJ1横浜FCへ改めて加入します。開幕時は下平隆宏監督、途中から早川知伸監督が指揮を取るチームでプレーしました。チームメートには南雄太、スベンド・ブローダーセン、高橋秀人、伊野波雅彦、高木友也、中塩大貴、瀬古樹、中村俊輔、松尾佑介、渡邉千真、伊藤翔、ジャーメイン良、三浦知良などが在籍していました。中塩大貴とは後にザスパクサツ群馬でもチームメートになります。チームはリーグ戦20位で最終的にJ2降格が決定する厳しいシーズンでしたが、杉本竜士も夏までのリーグ戦出場が6試合と満足な出場機会を得ることができず、同年7月に古巣のJ2東京ヴェルディへ完全移籍で加入します。愛着ある古巣クラブへの帰還を果たした杉本竜士は堀孝史監督の信頼をすぐに掴み、左WGの主軸選手として活躍し、リーグ戦19試合出場1得点の実績を残しました。

2022年シーズンも杉本竜士は東京ヴェルディでプレーします。チームは新たに城福浩監督を迎え、マテウス、ンドカ・ボニフェイス、馬場晴也、谷口栄斗、梶川諒太、小池純輝、山本理仁、森田晃樹、新井瑞希、バスケス・バイロン、佐藤凌我などのチームメートとプレーしました。杉本竜士は前年同様、左WGの主軸選手としスタメン出場を重ね、リーグ戦31試合出場6得点4アシストの実績を残しています。

2023年シーズンも杉本竜士は東京ヴェルディでプレーします。城福浩監督の元、新たなチームメートに齋藤功佑、山田剛綺、佐川洸介などが加わりました。杉本竜士は開幕戦こそスタメン出場しますが、第3節以降はメンバー外が続き、7月中旬までで4試合出場のみに留まります。

2023年7月27日、杉本竜士は出場機会を求めてザスパクサツ群馬へ期限付き移籍で加入します。加入発表から2日後の第28節ブラウブリッツ秋田戦から途中出場を果たすと、その後は左SMFのスタメンで出場を重ねリーグ戦14試合出場0得点の実績で、リーグ後半戦の躍進を支えました。

2024年1月、杉本竜士は完全移籍でザスパクサツ群馬へ加入することが改めて発表されました。

杉本竜士のプレースタイルと強み

杉本竜士のプレースタイルは、アグレッシブで攻撃的なサイドアタッカーです。主に左サイドを主戦場として、積極的なドリブル突破や1対1の駆け引きで相手DFを単独で剥がすことが可能です。強みとなるのは、ボールを受ける前のポジショニング、ボールを受けてから前を向くまでの早さ、圧倒的なテクニックとスピードを誇るドリブル、そして積極的に仕掛けるメンタリティです。これらに加えて攻守の切り替えの早さと豊富なスタミナを武器に、前線からのハイプレスなど守備面でもアグレッシブなプレーを披露するため、SMFとしてチームへの貢献度と存在感が非常に高い選手と言えます。

杉本竜士の注目ポイント

杉本竜士の注目したいポイントは、チームの勝利に徹底的にこだわる熱いメンタリティです。育成年代から勝ち気な性格が積極的なプレーに表現されるプレイヤーでしたが、90分間最後まで走り切って戦える選手として東京ヴェルディユースチーム時代から高い評価を受けてきました。優勝した日本クラブユースサッカー選手権大会では準決勝の試合終了後に倒れ込んで嘔吐する場面が見られるなど、主将として妥協なく最後まで戦いぬく姿が印象的で、背中でチームを引っ張り優勝へ導きました。東京ヴェルディトップチームでプレーしていた当時も、冨樫剛一監督からは「練習から高い意識でプレーしてくれて、チームのために何をすべきか考えることができる」と、プロサッカー選手としての取組姿勢やチーム貢献度の高さを高く評価されています。横浜FC加入時には、下平隆宏監督から「彼のことは高校時代から知っている。非常にアグレッシブで、勝気で、本当に素晴らしい選手」と評されていました。

ザスパクサツ群馬加入後も、チームの勝利への貢献に対する高い意識は変わらず、高い運動量で猛然と相手選手へハイプレスを掛けては自陣に戻ってのアップダウンを惜しみなく繰り返します。2023年シーズンまでザスパクサツ群馬に在籍した熱血パンチこと山田晃士選手からは「杉本竜士選手のパッションはヤバいです。練習からビリビリ伝わってくる。」というコメントが出てくるとおり、言葉には出さずとも、杉本竜士のサッカーに対する熱い思いは周囲にヒシヒシと伝わっているようです。
攻守にアグレッシブなプレーでサイドを切り裂く、頼れる熱き兄貴、杉本竜士のさらなる活躍に期待しながら応援していきましょう!

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